乙一

天帝妖狐 (集英社文庫)

• • A MASKED BALL ア マスクド ボール―及びトイレのタバコさんの出現と消失
  • 天帝妖狐

久々乙一。
ようやくこの作品にたどり着きました。
前者が好きですね。
あまり使われないトイレの壁に残された落書き「ラクガキスルベカラズ」
誰と分からないものとのメッセージの交換。
ほんとにこの人は設定がうまいなぁと思います。
その後の推理（？）の道筋も無理ないし。
犯人当てといういみではこの話は簡単でしたが。
テンポがよくって好きです。
表題作。
ちょっとむずかしめというよりフィーリング？
淡々とした怖さ。
切ないラブストーリーと読みかえるのもよしかと。
最後の杏子と夜木のやりとり、夜木の独白が辛く悲しく切なく、人としての喜びという暖かさにあふれています。