2030

人間狩り (ノン・ポシェット)
半村良


本気で何の考えもなしに選んだ一冊でした。
内容説明はamazonからで

二十一世紀初頭、犯罪の巣窟と化した東京を脱出した者たちが東北に理想的な自治国を作った。その首長から、月岡耕司は家出した娘の捜索を命令された。やがて彼女が無法地帯・東京に潜伏していると判明、東京に潜入した月岡が知った驚天動地の事実とは…。近未来を描くことによって、現代社会の暗部を赤裸々に抉り出す、待望の半村良ワールド。

すごい考えされられるものがありましたね。
イミグラント(移住者)の増加、都市病の蔓延、、、
近未来の話であり、科学技術や東京の状態などは現在の実情からは離れているし、「お話」として読むことができる。
しかし、その警告はきわめて現実的なものだ。
本当にラストの方の、ト書きの無い台詞だけの部分、「家族の崩壊」と社会とのかかわり。
この主張は真っ向から現代社会に対して警鐘を鳴らしている。
故郷とは。
人を受け入れるということは。
知らないうちに重要な問いを突きつけられた感じだ。